家庭菜園をする上で困るのが虫の被害ではないでしょうか?今回はその中でもアブラムシ対策についてまとめました。
アブラムシは繁殖力が強く困った害虫ですよね…しかしアブラムシの事を知ることにより、上手に付き合っていくこともできるので、アブラムシについて少し深彫りしてみましょう。
アブラムシの繁殖方法
アブラムシの繁殖方法は卵でも繁殖するのですが、それ以外の繁殖方法も兼ね備えていて、なんとクローンで増えていく事が出来るのです。
しかも生まれた時点ですでに妊娠しているという末恐ろしい生態…そりゃ繁殖力が強いわけだ…その特徴からマトリョーシカに例えられるそうです。そんな訳で1匹が1ヵ月で1万匹になるという末恐ろしい虫なのです。
アブラムシには個体によって羽がついてる個体がいるのはご存知でしょうか?
アブラムシはそこに餌場がなくなると、次に生まれる子ども(クローン)にはなんと羽が生えた個体が生まれてくるのです。新しい餌場を見つけるために、移動しやすいような姿に変えることが出来るのです。なんだかSFの世界ですね、、、
アブラムシの特徴
アブラムシは、高温で乾燥している環境を好みます。
雨が降らない時期に発生しやすいのはこのためです。なので雨があたらないビニールハウスの中やベランダなどに発生しやすいのです。
それと、窒素分の多い肥料を与えすぎると発生しやすいのも特徴です。窒素分の多い肥料を与えすぎると、葉で合成されるアミノ酸が多くなりすぎます。アブラムシはそのアミノ酸が大好きなので、寄ってきてしまうのです。
アブラムシは養分過多の場所に多くつく傾向があり、いわば自然界のバランスをとってくれる役割も担ってくれていたりします。
ほかにも、葉が茂りすぎるとアブラムシが発生しやすくなるので風通しを良くして、日光がよく当たるようにしてください。
アブラムシの被害
アブラムシの被害は主に3つあります。
- 葉をかじるのではなく口針を指して植物の養分を吸い取る事により、養分を吸われた植物は栄養不足になって成長不良になる
- 口バリを刺した時に一緒にウイルスを運んでくる場合があり、モザイク病や、葉巻病にかかる可能性がある
- お尻から蜜を出し、それが植物につくことによりカビが生え、すす病を引き起こし光合成ができずに成長不良になる
アブラムシの対策
ここからが一番重要なアブラムシの対策方法です。
1.天敵を増やす
自然農で一番有効なのがこの天敵を増やすことです。
アブラムシの天敵の代表といえばテントウムシです。テントウムシの中でもナナホシテントウやナミテントウがアブラムシをよく食べてくれます。
では具体的にどうすればテントウムシなどの益虫が増えるかというと、畑に植物の多様性を作ることが大事です。
いろんな種類の野菜&雑草を生やす➡そこにいろんな種類の微生物や昆虫が集まる➡それにより害虫だけでなく益虫も自然と増える
このサイクルにより多様な生態系が作られ、アブラムシの被害が減ることになります。
緑肥作物(クリムゾンクローバー、ソルゴーなどのイネ科の植物)などを植えるのも良いでしょう
2虫よけの道具を使う
アブラムシは黄色い色に反応する性質を持ってます。虫よけの黄色い粘着テープが売っているので野菜の近くに垂らしておくとアブラムシがそれに寄り付いてくれます。
それと、銀色のビ二ールマルチやのキラキラ光るテープを張ることによりアブラムシが寄り付かなくなります。
キラキラ光るものは水面と勘違いするらしく、アブラムシにとって水に落ちることは死活問題のため近寄らないようです。
3.薬剤を使う
速攻性があり簡単に始められるのがこの方法です。
手軽に農薬などの薬剤を使いたい方向けには、オルトラン類が効果的とされています。
オーガニック素材のものでおすすめな物は住友化学園芸ベニカマイルドスプレーなどがあります。
毒で殺すのではなく物理的に、薬剤で覆ってしまい呼吸をできなくして退治するタイプの薬になります。なので化学製品は不使用なので安心して使えます。
自然栽培や有機栽培など、薬剤を使いたくない方向けには唐辛子をアルコールに漬けてカプサイシンを抽出したものを水に薄めて撒布する方法があります。
竹酢液や水に薄めた牛乳を撒布する方法もありますが、この方法は一時的なもので、たくさん発生してしまった場合にはあまり効果はありません。
まとめ
自然栽培ではアブラムシがいることにより生態系が豊かになっていくことを理解しておくことが重要です。
家庭菜園を始めたばかりの畑ではアブラムシばかりが発生しやすい状態になりますが、そこを我慢して乗り越えればアブラムシの天敵も増えてくるので、徐々に被害も少なくなってくるでしょう。
害虫の根本対策は昆虫の生態系を複雑にすることが重要です。農薬などでは結局イタチごっこになってしまうので、天敵が生息しやすい環境を作ってあげることが一番重要です。
時間はかかりますが人生100年時代。ゆっくり気ままに行きましょ~!
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