
クラピアは「放っておいても緑になる」「低メンテナンス」という謳い文句で人気がありますが、実際には思わぬトラブルが発生することもあります。
- 「クラピアはトラブルが多いって本当?」
- 「もし問題が起きたらどうすればいい?」
そんな不安を抱える方に向けて、クラピア栽培歴7年の私が実際に経験したトラブルと、その回避法・対処法をすべてまとめました。
なぜクラピア栽培にトラブルが起きやすいのか?
クラピアは比較的新しいグランドカバー植物で、栽培年次も浅いため、情報がまだ十分に蓄積されていない面があります。
そのため、一般的な芝生や多年草のように「100%の正解」が確立されていない点が、トラブル発生の一因です。
また、以下のような要因が重なるとトラブルが起きやすくなります−−−
- 苗選び・土づくり・肥料・配置などの初期条件が弱い
- 通常より少ない苗数や過度のコスト節約
- 過湿・乾燥・踏圧などの外部ストレス
- 病害虫に対する知識不足
初心者ほど、これら複数の条件が重なってトラブルにつながる可能性が高くなります。
私が経験したクラピアのトラブル4選と対処法
以下は、実際に7年間クラピアを育ててきた中で遭遇した主なトラブルです。
それぞれの発生原因と、今ならこう防げる・こう対処できる、という方法をセットでご紹介します。
トラブル | 原因・経緯 | 対処法・回避策 |
---|---|---|
被覆の遅さ | 肥料不足・苗数不足・土壌改良なし | 初期段階でマニュアルに準拠し、推奨株数を植える。肥料付き苗を使う。 |
芝生に飲み込まれる | 混植による競合 | 芝生とクラピアを混植しない。境目には縁材を設ける。 |
コガネムシ幼虫被害 | 根を食べられて枯れる | 見つけたらすぐに「オルトランDX」などの薬剤をまく。 |
白絹病 | 湿度・蒸れ・通気不良 | 刈り込みで風通しをよくする。発症初期にフロアブル系薬剤で対処。 |
以下、各トラブルの詳細と私の体験談を交えて解説していきます。
① 被覆に時間がかかる(庭全体が緑になるまでが長い)
体験談
「3ヶ月で庭が被覆する」という宣伝を信じて苗を少なめに植えた結果、2年かかってようやく全面に広がりました。

詳しくは : 【写真付き】クラピアの成長記録|植え付けから完全被覆までのリアル体験
主な原因
- 苗数が足りない(目安の株数を下回る)
- 肥料を施さない
- 土壌の改良が不十分
対処・予防策
- 株数は1㎡あたり4株以上とする
- 肥料付き苗を選ぶか、緩効性肥料を初期に施す
- 土壌は培養土+腐葉土などで改良して通気性を確保
② 芝生に飲み込まれる(競合でクラピアが減る)
体験談
隣接する芝生にどんどん押されて、現在ではクラピアがわずか3割程度まで減ってしまいました。

主な原因
クラピアと芝生を混植してしまったこと。芝生の方が繁殖力で有利な場面が多い。
回避策
- クラピアと芝生は混植しない
- 境目に縁石や帯状の区画を設けて植物が侵入しにくくする
- 競合する雑草を早期に抑える
③ コガネムシ幼虫の食害
体験談
1か所を掘ったら幼虫が2匹出てきてびっくり。複数箇所被害が出たこともあります。

原因
地下の幼虫がクラピアの根を食べると、表面の葉が枯れてしまいます。
対処法
- 被害が出たらすぐに薬剤散布(オルトランDXなど浸透移行性剤)
- 定期的に撒くのも効果的
④ 白絹病(白カビによる感染)
体験談
7年間で3回発生しましたが、拡大せず回復しました。

原因
過湿・蒸れ・風通しの悪さ・病原菌の保有土壌
対処法
- 蒸れないように刈り込みをしっかり
- 通気性を確保する
- 症状初期に殺菌剤(例:モンカット フロアブル)を使用
トラブルを防ぐための完全チェックリスト
項目 | 対策ポイント |
---|---|
苗の選び方 | K7など耐病性品種を選ぶ |
土壌改良 | 通気性・排水性のよい土を使う |
株数 | 充分な株数で植える(1㎡に4株以上) |
肥料 | 初期段階で適量の肥料を与える |
刈り込み | 年2〜3回、葉が混みすぎないように |
水分管理 | 過湿を避け、植え付け後2週間は定期的に水やり |
病害虫監視 | 定期的に葉・株元をチェック |
境目管理 | 芝生や他植物との混植を避ける |
まとめ
クラピアは一見「甘い」宣伝文句が多いですが、実際には育て方を誤るとトラブルも起こります。
しかし、適切に対処すれば非常に強く美しい緑を長く維持できる植物でもあります。

トラブルを恐れて始めないのではなく、トラブルが起こる可能性を知り、それを回避する知識と対処力を持った上で育てることが、クラピアを長く楽しむコツです。
クラピアを庭に迎えるそのとき、このガイドがあなたの失敗を防ぐ一助となれば幸いです。
クラピアについて詳しくは⇒クラピアの種類はどれが最適?全品種の特徴と選び方を徹底解説
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